10月2日、原宿にあるIKI-BAR「粋場」にてふるさとカフェvol.04を開催。
今回のテーマは、「創造的過疎」でも有名な、本年度の過疎地域自立活性化優良事例で総務大臣賞を受賞した徳島県名西郡神山町から学びを得るため、9月に開催した「神山に見る日本の未来体験ツアー」の参加者レポートをもとに実施。
移住者や企業は、なぜ神山に集まり始めたのだろうか?
ツアー主催者、マイプロ・学生のツアー参加者、それぞれの立場から、参加動機、自らが実体験した神山への感想を報告し、カフェメンバーと共に神山の魅力を探る!
◎カフェVol.4 概要
①ツアー主催者「神山」にみる日本の未来体験ツアー概要
スピーカー:畑 英文|畑英文事務所代表
②マイプロメンバーまっつんが見た「神山」レポート
スピーカー:松村 亮平|ふるさとという最前線4期,5期生
③現役大学生が見た「神山」レポート
スピーカー:小松 尚太|東京大学農学部
細川 咲輝|学習院大学法学部
永島 一樹|東京大学教育心理部
④メンバーリレートーク<懇親会>
参加者全員
1.神山」にみる日本の未来体験ツアー概要
「2011年神山町誕生55年で初の人口増加!」カフェの冒頭は、この言葉から始まった。
スピーカーの畑さんは徳島県出身。22年間草創期&成長期のベンチャー企業の最前線で培ったノウハウや経験をもとに、ふるさと徳島の「企業」と「起業」に役立ちたいと2011年夏に独立。
“神山視察はサテライトオフィス誘致に興味を持つ自治体や企業向けが中心。実際の働き手となる都会の方々が、神山を体験してどのように思うのか率直に知りたい”
という想いで今回初めてツアーを主催。
まず、神山のこれまでと現在を伝えるため「NHKニュースウオッチ9」特集を放映。
川に足を浸しパソコンで仕事をする写真は、働き方、そして生き方を伝える象徴的なシーンとして、神山の転機となったという。
近くに流れている鮎喰川での仕事!?の一場面
ツアーを通して、ピンチをチャンスに変えた、人が集まるステキな田舎「神山町」で起きていることを体験して欲しい。
みなさんの故郷で何かアクションを起こすきっかけとヒントをつかんでもらえれば! さらに、神山で築いた過疎地活性モデルが日本全国に広がり、日本の未来を元気にしたい!
そんな畑さんの温かな人柄溢れる語り口が、参加者の心に響く。
今回スピーカーをお願いした畑さん。
2.マイプロメンバーまっつんが見た「神山」レポート
「ふるさとという最前線」4期、5期受講生で、マイプロコアメンバー<IT担当>「まっつん」こと松村 亮平さんが、ふるさとカフェ初の試みで、大阪からスカイプで参加!
「ふるさとという最前線」の受講など、地域活動を積極的に学ぶまっつんの視点は、日本全国で地域が注目を浴び、サテライトオフィスができる中、地域間競争がやってくると予測。
どこにでもある普通の田舎の神山は何が違ったのか? を探る5つのポイント!
“ゆくゆくは地元に!” 神山で学んだ「地元」であることの精神的な重要な意味!
まっつんもいつかは故郷へ!とのまとめのが確信的で心に届く。
①点と点をつなぐということ
神山の歴史を作ったNPO法人グリーンバレー大南理事長のお話からも、最初から「これをやる」と決めにかかっていない。「何があるか」ではなく「どんな人が集まるか」。
②良質な点を呼び込む
いかに良質な点(人)が集まる場所になるか。良質な点(人)が、また別の点(人)を呼びこむ。
③地元の人である大南さんの存在
20年超という長期に渡る取り組みは「地元」だからこそ「諦める」という選択肢は存在しない。超長期的な視点のまちづくり。
④地元である意味
地元をよくしたいと願う、逃げられない排水の陣の「覚悟」や「強い想い」が行動を促す。
⑤「◯◯なるもの」を生み出すには?
「◯◯なるもの」 = 地域との差 = 優位性。神山は地元の人たちを中心として、超長期的に街づくりに取り組んだことで、自然と「神山なるもの」が生まれた。神山町は、結果として、それが他地域との差になったという、一つの成功モデル。
大阪よりSkypeで参加したふるさとマイプロジェクト事務局の松村
3.現役大学生が見た「神山」レポート
ライフスタイルムーブメントになりつつある地方・田舎の最前線に触れたい!との思いで参加した現役大学生たちが自ら感じた「神山」をレポート! 彼らの生き方にどんな影響を与えたのか!
小松 尚太さん(東京大学農学部)
Q. 参加理由は
・農学部で学んでおり、農業と関係の深い地域の現場を見たい
・富山の田舎出身なので、将来の地方での働き方に興味があった
Q. 感想と今後に向けて
・NPO法人グリーンバレーの大南理事長の求心力
大南さんの魅力・面白さが人を呼んでいることを感じた。心配は大南さんが居なくなったら…。
・ほかの地域でも実践する(広げる)ためには自主性
行政などから与えられるのではなく、自分たちの危機感として活動が芽生えることが大切。
・地域の活性は本当に不可欠なのか
仕事がないなど、経済的な基盤が弱い地方が衰退するのは自然の摂理と思う部分もある。
・震災以降は学生で新しい働き方を探す人が増加
体験を通して、神山での暮らしや仕事を求める人がいることを感じた。同時に学生も働き方を創造したいと思っている、その受け皿として地方には魅力がある。
小松尚太さんによるプレゼンテーション
細川 咲輝(学習院大学法学部)
Q. 参加理由は
・故郷がなく地方を深く知らないが、日本を元気にするには地方の活性は必須なので知りたい
・法学部で「交渉」を専門的に勉強する中 “異質を受け入れ”“多様性を認める”地方の新しい働き方に興味がある
Q. 感想と今後に向けて
・働き方の価値観
都会で働くのが便利でよいと思っていたが、自分の裁量で「時間・場所・ライフプラン」を選択できるということは、自分の人生を生きている感じがする。
・自分の故郷は作れる
この地域が好きだから住みたい。地域と地域をつないで転々としながら生きたい。こうした多様性に対して、地方には受け入れる力があることを感じた。
細川 咲輝さんによるプレゼンテーション
4.メンバーリレートーク<懇親会>
ゲストスピーカーと参加者全員で、あらためてたっぷりと自己紹介! 地方への想い、暮らし方、働き方、生き方など、多岐にわたって多様な皆さんが、語らう素敵な場になりました!
最後は楽しい懇親会で幕を閉じました!
(西村 剛)
講師情報
※スピーカー:畑 英文|畑英文事務所代表
1966年徳島県徳島市生まれ。22年間、草創期・成長期のベンチャー企業で培った経験とノウハウを、多くの「企業」と「起業」に役立ちたいとの想いから2011年夏に独立。自身の名字でもある「畑」を、種をまき、芽が出て、大きな花を咲かそうとする作物が育つ基盤となる畑になぞらえて、豊かな価値を生み出す会社経営やスタートアップのサポートを行う。同時に現在は徳島県が推進する限界集落におけるサテライトオフィスのプロジェクトにも奔走中!
※スピーカー:松村 亮平|ふるさとという最前線4期生
1984年滋賀県彦根市生まれ。大阪でフリーランスのシステムエンジニアを営みながら、ソーシャル、プロボノ、地域づくりなどの活動に興味を持ち、ふるさとという最前線など各種イベントやプロジェクトに参加。今後の日本の未来を照らす可能性として、地域で生きること、地域で仕事をすることを探求中。テーマは「しごと:システムエンジニア、くらし:地域づくり、かてい:主夫」の3つ。ふるさとマイプロジェクトのコアメンバー。
基本情報
イン神山:http://www.in-kamiyama.jp/
神山からこんにちは | Sansan, Inc.(三三株式会社):http://www.sansan.com/kamiyama/
ふるさとカフェについて
地域で活躍する方を講師に招いて行う座談会形式の勉強会。講師は、地域のキーパーソン、移住や起業経験者、アカデミアの方々など。ほか、日本各地に飛び回る「ふるさとマイプロジェクトコミュニティ」のメンバーからの現地レポートも実施。参加者は毎回20名ほど。(詳しくはこちら→)